第12回子育ての生態学的未来構築コロキアム
・日時:2025年6月27日(金) 13時30~15時30分
・場所:京都大学・稲盛財団記念館3F大会議室
・形式:対面+オンライン
・言語:日本語
・発表者:田 暁潔准教授(筑波大学体育系)
・ディスカッサント:野口 朋恵氏(ASAFAS)
・演題:牧畜民マサイの子どもの民族誌:遊びと仕事から織りなす子ども時代の学習エコロジー
・要旨:
本発表は、2024年12月に刊行された拙著『Maasai Childhood: The Rhythm of Learning in Daily Work and Play Routines』の内容に基づき、ケニア南部に暮らす牧畜民マサイの子どもの文化的発達と学習の特徴を、この社会における子育て環境や理念、さらに子どもたちの日常的な経験を踏まえて考察するものである。東アフリカの牧畜集団は、文化的アイデンティティに関する初期の異文化比較でよく議論され、個々人の自立性を重視する「独立症候群」として知られているが、地域ごとの自立観やそれが子どもたちの育成やアイデンティティ形成に与える影響については十分に検討されておらず、子どもに関する民族誌的研究の不足が大きな課題となっている。本発表では、こうした課題を振り返りつつ、マサイの子どもが年齢や性別に応じて担う社会的役割、段階的に拡大する移動能力と生活空間、仲間や大人との協力を通じて家族の財となる家畜や自然資源の管理における主体的な参加について紹介する。さらに、長期的な参加観察と混合研究法に基づき、子どもたちが生業活動と遊びを通じて家畜や自然環境に関連する民族知識と技術をどのように習得し、近代化が進むアフリカで、牧畜民としてのアイデンティティ形成に寄与していくのかを検討する。

【Notes】
* 講演は日本語で行われます.
*参加費は不要です.
* 問い合わせ 「アフリカ狩猟採集民・農牧民のコンタクトゾーンにおける子育ての生態学的未来構築」
【プログラム事務局】
E-mail: CCI.takada.lab※gmail.com (※を@マークに変換してください)